はじめに
私は34歳で不妊治療を始め、最終的に治療開始から6ヵ月後に体外受精で第一子を授かりました。
この記事では、私たち夫婦がどのような経緯で治療を進め、どの段階でステップアップを決断したのかを、実際の治療スケジュールや妊娠率の目安とともにご紹介します。
「人工授精は何回まで試すべき?」「体外受精への切り替えのタイミングは?」と、悩んでいる方に少しでも参考になれば嬉しいです。
不妊の原因は何だったのか?
結論から言うと、私(女性側の要因)としては、軽度の排卵障害(PCOSグレー)でした。
もともと生理周期はほぼ安定していましたが、排卵日が2〜3日遅れることがあり、自己判断でのタイミング法は難しい状態でした。
また、子宮頸がん検診のオプションでエコー検査をしてもらっていた時から、医師からやんわりと伝えられていたので、妊活スタートと同時に不妊症専門クリニックに行くことを決めていました。
そして、専門クリニックでの診断は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)グレー。
“年齢相応の排卵障害”とのことで、排卵誘発の内服薬を開始しました。
一方、夫の方も検査を勧められたため、治療開始翌月に精液検査を受けたところ、精子運動率が20〜40%前後と低め。
ここで、まさかの”男性不妊”という診断になりました。
精子運動率が低いと自然妊娠の確率が下がるため、医師から「人工授精(AIH)」へのステップアップを勧められました。
治療の経過とステップアップ
【1月】内服+タイミング法
排卵誘発の内服を開始。卵胞の育ちは良好で、医師の指示に従いタイミング法を1回実施。
ただ、この時点では夫の精液検査をまだ行っていませんでした。
【2月】男性不妊発覚で人工授精へ移行
精液検査の結果を受け、人工授精へステップアップ。人工授精は排卵日に合わせて、洗浄・濃縮した精子を子宮内に注入する方法で、自然妊娠よりも受精の確率を高められます。
【3〜5月】人工授精を3回試みるも妊娠せず
私の場合、以下のスケジュールで人工授精を行いました。
1回目:実施(陰性)
2回目:実施(陰性)
3回目:排卵済みで中止
人工授精を3回試みましたが妊娠には至らず、これ以上の回数を重ねても統計的に妊娠率が伸び悩む兆候があること、そして私自身の年齢が35歳に近づいていたことから、3回で見切りをつけ体外受精へ移行しました。
【6月】初めての体外受精で陽性判定
採卵から胚培養、移植までは驚くほどスムーズに進み、初めての体外受精で妊娠判定が陽性に。(私の身体状況が良かったため、移植方法は新鮮胚移植でした)
その後も経過は順調で、翌年春に第一子を出産しました。
ステップアップをした理由
- 年齢と妊娠率のバランス
- 夫婦双方の原因(複合要因の場合は早めの移行が有効)
- 治療への精神的・身体的負担
- 不妊治療の保険適応
私たち夫婦は、人工授精を6回以上続けても妊娠率は大きく上がらないというデータを知り、早めに体外授精へステップアップしました。体外受精も保険適用になったため(回数や年齢制限あり)、金銭的にも挑戦しやすかったことも要因の1つです。
結果的には、この判断が第一子誕生につながったと感じています。
不妊治療を振り返って
もし、これから治療を検討される方がいましたら、スムーズに治療を進めていくために
1. 早めに夫婦そろって検査を受ける
2. およその通院回数、費用、妊娠率などを知っておく
3. 治療のステップアップの目安を事前にパートナーと話し合っておく
ことをお勧めします。
まとめ
不妊治療は身体的にも精神的にも負担が大きいですが、正しい情報と医師の診断、パートナーの協力、戦略を持つことで最短ルートを選べる可能性があります。
この体験談が、同じように悩んでいる方の一歩につながれば幸いです。